認知症治療には漢方薬抑肝散?症状を抑える?

認知症に効果がある漢方があります。認知機能の低下を抑えられる訳ではありませんが、認知機能に伴って起こってくる徘徊や興奮などといった症状に効果があります。認知症の症状、漢方薬が認知症にどのように効果があるのかということを紹介します。

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認知症の症状

認知症の症状は中核症状と行動・心理症状に分けられます。行動・心理症状はBPSDとも呼ばれていて、以前は周辺症状と呼ばれていました。

中核症状とは脳の認知機能そのものが低下することで起こる症状です。新しく覚えたことを記憶にとどめておくことが困難になる記憶障害、場所や日時などがわからなくなる見当識障害、計画を立てたり順序立てたりといったものを考えるスピードが遅くなる判断力の低下があります。

行動・心理症状はこの中核症状に伴って本人が元々持っている性格や生活している環境などが絡み合って起こる症状です。

症状は妄想、攻撃的衝動、不安、抑うつ状態、興奮、介護への抵抗、異常行動、徘徊、睡眠障害、幻覚などがあります。

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高齢者の患者さんの約80%に起こっていると言われています。このBPSDの症状が本人だけではなく周囲の人の生活の質を低下させたりしている大きな悩みになっています。

認知症の対処としてこのような症状をいかに抑えられるかということが治療の大きな目的になります。

認知症にはタイプがありますが、漢方薬は病名ではなく症状に対して処方されるものなので認知症のタイプに関係なく使用することができます。

中でもアルツハイマー型認知症というBPSDに漢方が効果的で、10年ほど前からよく使用されています。最近ではレビー小体型認知症で起こる幻視やうつ症状にも効果があるといったことがわかってきました。

認知症の治療の目的は進行を遅らせることと症状を抑えることです。進行を遅らせる治療というのは中核症状に対する治療になります。抗認知症薬という種類の西洋薬での治療が中心となります。

軽い認知症の方ではリハビリテーションなどを合わせて行うことがあります。

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症状を抑える

行動・心理症状も抗認知症薬である程度の効果は期待できますが、行動・心理症状を抑えるために最も重要なことは「ケア」(環境)です。

環境の変化、ストレス、不安感、疎外感などが加わったことでBPSDが起こることが多いので、そういった要因を作らないようにすることが大切になってきます。

例えば、物忘れが多いことに対してつい怒ってしまいたくなるのですが、忘れてしまうことは努力で治せるものではありません。

メモを作って忘れても支障がないように工夫したり、「私が覚えておくから大丈夫ですよ」のように支えてあげることがケアということになります。

認知症の治療

病気が進行して強いBPSDが生じるようになった場合ケアだけではどうすることもできなくなってきます。そのような場合薬物治療が加わります。

抗うつ薬や抗精神病薬といった西洋薬が使われることもありますが、副作用の問題などでなかなか良い薬が見つからないといったことがあります。

漢方薬

最近では漢方薬が大きな副作用もなく効果もあるということがわかってきたので注目されています。

例えば、抑肝散(よくかんさん)という漢方薬は神経過敏で興奮しやすい、イライラする、眠れないといった精神神経症状に効果がある薬です。

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アルツハイマー型、レビー小体型認知症などの幻覚や興奮性、攻撃的、焦燥、問題行動、不眠などに有効とされています。

抑肝散は元々お子さんの夜泣きやお母さんのイライラを抑えるために使われていた薬です。

抑肝散の成分の一つの甘草というものが血圧上昇やむくみなどの副作用を起こす可能性があるので、他の病気でどのような薬を使っているかということを担当の医師に伝えて下さい。

西洋薬も漢方薬も続けて服用することが良いのですが、落ち着いた状態が続くようであれば回数を少なくしてみたり、あるいは中止してみたりすることもあります。これは自己判断は絶対にしないで先生の指示に従って行って下さい。

患者さん、介護者のためにも漢方薬を上手に取り入れることをお勧めします。

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