肝臓がんの種類、原因、治療法は?

自覚症状がほとんどない肝臓。発病しても日常生活に支障はないため、気づかない人が少なくありません。大抵、定期検査などで肝機能や肝炎ウイルスの有無を調べて発見されます。

あまりの唐突な診断に「昨日まで元気に働いていたのに」と驚くことがよくあります。体の異変が起きるのはがんと併発した肝硬変が進行した時です。ここでは、肝臓がんの原因・特徴・治療法をご紹介します。

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肝臓がんの原因とは?

がんと言えば生活習慣病と関係していることが多いのですが、肝臓がんの多くはウイルスが原因です。もちろん、生活習慣も要因ではありますが、主因はウイルス肝炎の慢性化です。

肝炎ウイルスには5タイプあります。急性肝炎を引き起こすA型、劇症肝炎やがんを引き起こすB型、慢性化しやすくがんの原因となるC型、慢性肝炎の誘因となりB型と併発するD型、劇症肝炎の原因となるE型などです。

そのうちの2タイプ、B型肝炎ウイルスの感染が11%、C型肝炎ウイルスの感染が79%となっています。

ウイルスによって感染源が異なりますが、特に血液や体液を媒介とした感染が多くなっています。原因も感染経路も分かっているにもかかわらず、肝臓がんが減少しないのは肝炎ウイルスに感染していることを気づいていない人が多いからです。

肝臓がんの進行とは?

少しぐらい炎症が起きても働きが低下せず、自然に傷が修復される肝臓。再生能力と予備能力があるため、表向きは異常ありませんが、肝臓では少しずつ障害が進んでいます。

B型肝炎やC型肝炎の場合、数ヶ月経っても肝炎が治らず慢性化します。症状はほとんどないため、気づかないうちに肝硬変に進行していることが多いでしょう。

肝炎によって炎症や再生が繰り返されると、肝臓には線維成分増加しその後、結節化して肝硬変になってしまいます。

実際、肝硬変に移行してしまうのが、B型慢性肝炎の場合は30%、C型慢性肝炎の場合は40%以上です。肝硬変によって障害を受け続ける肝細胞は突然変異が起こるとがん化します。

特に、慢性肝炎が長引くほど発病率も上がることが多いでしょう。一般に、B型慢性肝炎から肝硬変になり肝臓がんに進行するのは約30%、C型慢性肝炎から肝硬変になって肝臓がんに進行するのは半数以上です。

肝臓がんの多くは感染から数十年後に発病することが少なくありません。

肝臓がんの進行度は4つある?

普通、がんの進行度は大きさや浸潤の深さで判断されますが、肝臓がんの場合は小さなかたまりが複数できます。

他のがんの場合、複数発生するのは進行がかなり進んでからですので、早期でも複数発生するのは、肝臓がんの最大の特徴と言えるでしょう。

しかしながら、肝臓がんは人によって進行の仕方が大きく異なります。中には、単発のがんが拡大して浸潤する人もいますので、目安にすることができます。

基本的に、肝臓がんの進行度は4つあり、がんの大きさや数、場所によって決まります。早期に発見できた1期は脈官に侵襲もなく、単発で直径2㎝未満の小さながんです。

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2期は多発していることや脈官への侵襲があること、直径2㎝以上であることなど、どれか一つに当てはまるがんです。3期は多発や侵襲、直径2㎝以上のどれか二つに当てはまるがんです。

多発がんが脈官の近くにある場合も当てはまります。次はA4期です。多発や浸潤、2㎝以上のすべてに当てはまるがんやリンパ節転移がある場合です。さらに進行してA4Bになると遠隔転移しているがんになります。

肝臓がんの種類とは?

一般に、肝臓がんと呼ばれていますが、正確には原発性肝細胞と言います。原発性肝細胞は他にもいくつか種類があり、大きく4タイプあります。

1つは原発性肝臓がんです。肝臓ががん化して、正常な部分もがんができやすい状態になっています。2つ目は転移性肝臓がんです。

他の臓器から転移して肝臓にできたがんで、原発性とは性質が異なります。3つ目は肝細胞がんです。原発性肝臓がんのうち90%以上を占めており、右葉と左葉の肝細胞ががん化した状態。4つ目は肝内胆管がんです。

原発性肝臓がんの約5%で、胆のうと肝臓をつなぐ管の上皮にがんができている状態です。肝臓は多量の血液が流れ込むため、さまざまな臓器からの転移があります。

特に、胃や腸、肺などに発生したがんが肝臓へ転移することが多いでしょう。また、肝臓がんが進行して転移した場合、血流にのって肺から全身に行きます。

肝臓がんの治療法とは?

肝臓がんの治療法は多種多様です。細かくあげると10種類以上ありますが、大きく分けると3つになります。1つは手術療法です。

開腹手術でがんとその周囲の細胞を切除します。肝臓を大きく切って根治をはかるため、肝臓の回復力を生かした治療法になります。

2つ目は局所療法です。肝臓がんのがん化した部分だけを局所的に治療します。例えば、病変部を加熱して凝固させるラジオ波焼灼療法を行ったり、病変部に薬剤を注入して壊死させるエタノール注入療法などを行います。

3つ目は化学療法です。抗がん剤でがん細胞を増殖を抑えるというもの。体内にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して、病変部に直接薬剤を流し込んだり、服用することもあります。

基本的にはこの3つですが、その他の治療法も行われることがあります。例えば、一時的に血管を塞いでがん細胞を壊死させる肝動脈塞栓療法や、放射線でがん細胞を殺す放射線治療、血液中の免疫細胞を増殖させる免疫療法などです。

凍結療法や重粒子線療法などもあります。また、肝臓がんの治療法は1つの治療法を1回行うのではなく、いくつかの治療法を組み合わせて何度か行うというものです。

例えば、大部分を手術で切除した後、残った部分は肝動脈塞栓療法を行なって、進行を抑えるといった感じです。

まとめ

肝臓が最も多く発病するのは60歳代の男性です。人によって病状が異なるため、治療法もそれぞれです。以前は手術が主流でしたが、現在はさまざまな治療法があります。

肝臓がんは治療後も再発しやすいため、長期的な経過とともに治療が必要になることも少なくありません。

実際、再発率は再発が27.5%、再発なしが72.5%となっています。しかしながら、必ずなんらかの対処法がありますので、諦めずに治療していきましょう。

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